はじめに
とある午後、おじさん二人が缶コーヒーを飲みながら話し込んでいました。
「ちょっと長めのライド、やりますか。」
この日、長時間に及んだおしゃべりだったにもかかわらず、成果はこの曖昧なライド案だけだったのでした。
そして無情にも時は流れました。気が付けば約束の日まで時間がありませんが、肝要のライド案はなにも決まっていません。
そう、「まだまだ先のことだからと思ってほったらかしにしていたら、意外と時間がなくなっていたやつ」になってしまっていたのです。
まずい缶コーヒーの味を思い出しながら、搾りだしたライド計画。
「多可町まで200kmライド」、開催です!
今回参加してくれるのは、この二人だ!
- ロゼさん
→ 一緒にコーヒー飲みながら約束した人。今年に入ってからあんまり乗ってない。 - がんちゃん
→ なぜか一緒に走る機会に恵まれない人。DARUMAと共演NG疑惑あり!?
お馴染みのロゼさん。そしてなぜか走る機会に恵まれず、かねてより「共演NG疑惑」が出ているがんちゃん、そしてわたくしDARUMAのトリオ編成です。
加東でモーニン!
朝5時前に自宅を出発。
あいにくの曇天なのに空は明るく、夏の訪れを肌で感じる朝。
いつも通りの道程で池田まで。
既に二人は到着していて、久しぶりに見るFUJIのバイクを思わずパシャリ。
がんちゃんとは本当に久しぶりです。この機会を逃してはいけないので、今日こそは共演NG疑惑について、白黒はっきりさせておきたい所存である。
挨拶などをしながらも、ぼちぼちとスタート。
なんとなくいつもの感じでロゼさんが先頭で走り出しました。
12号線を北上して、道の駅いながわのところを曲がって、北摂里山街道を走る王道ルート。
千刈CCの道を下って三田へ。
ここまでなかなか良いペースで走ってきました。
先頭交代を申し出るがんちゃん。
おっ、もしかして今日は先頭を回していく感じですか!?
播磨方面へ行くのによく使う道。三田から西へ向かって、三木のほうを抜けていく平坦基調のコースを使いました。
先頭交代を繰り返しながら進みますが、とてもつらい。
東条のあたりで中国道に沿って進む。
西に抜ける道はいくつかありますが、一体どれが一番楽なのか…。しっかりと調べたことないなぁ。
ついに加東の文字が出てきました。もうちょっとで休憩できる!
本日のモーニングのお店に到着。
さすが播磨平野の走りやすさというべきか・・・
池田からの60km弱を2時間くらいで到着しちゃいましたね。
【ナポレオン】
アイガーと双璧を成す(というイメージ)大型ベーカリー店。
朝早くから開いているし、イートインの席もきっちりとあるし、自転車乗りにはありがたいお店なのだ!
・・・と言っても、こちらは初訪問なんですけどね。
パンの種類はたくさんありましたが、ハード系のものは少ない印象。
というか、単純に開店してすぐなので、まだこれから焼きあがる感じでしょうね。
サンド系もありました。全体的に価格が良心的で嬉しい。
焼きたてカレーパンを発見。これは食べずにはいられませんね。
イートイン席は充実していて、広くて清潔。特にこれからのシーズン、冷房の効いた屋内イートインの存在は重宝しますからね。
コーヒーや紅茶のドリンクメニューもありましたが、あまりにのどが渇いていたので紙パック飲料を買ってしまった。
無駄に時間を巻いてしまったので、ここでは根っこが生えるくらいゆっくりと休憩モードでした。
パンは割と普通な感じでしたが、イートインはめちゃくちゃ居心地良かったし、サイクルラックもあったし、満足度◎!
鳥マルシェでランチ
再スタート!
近くを流れる加古川を渡り、川の西側の道を北上して行きました。
目指すは多可町、西脇方面へ。
途中でJR加古川線と並走する区間がありました。残念ながら電車は通りませんでした。
と思ったら、線路から少し離れたタイミングで電車を目撃。
小さい2両編成でした。
交通量を懸念していた県道17号も、それほど車もなく走りやすい道が続きました。
いきなり目に飛び込んできたのは、鍛冶屋線跡の史跡にある廃列車。
あんまり世代的にもピンと来ないんですが、こういう国鉄の廃線跡って日本にいくつもあるんでしょうね。
多可町まで後1kmほど!
周りに山々が迫ってきましたね。播磨平野の端っこのほうを走っているのかな。
加古川の支流の一つ、杉原川。
お店までもうちょっと!というところで、こんな道になるんだから、もう楽しくて仕方ない。
こういう山に向かって延びる道、なんでか好きなんですよね~。
残念ながら山が迫る西のほうには向かわず、北へ進路を変えたんですが、こちらはこちらで性癖に刺さる道でした。
少し国道から離れたところに、今回のランチスポットがありました。
【鳥マルシェ多可町】
鶏と卵の新拠点と言うおもしろそうな施設。
ブランド鶏「播州百日どり」の養鶏場が経営しているだけあり、カフェでもご飯でも鳥三昧が堪能できるようです。
加美区で育てられた鳥が生む「播州地卵」や、それから作られる加工食品もたくさん販売されてました。
その卵から作るスイーツも!!
しかし我々はそんなものを求めてきたわけではありません。
食べたいのは「TORI焼肉」さ!
なんと七輪などを借りて、こちらで販売されてる鶏肉を焼いて食べるなんてことができるらしいのです。やるっきゃない!
おおお、なんか楽しいやないかい。
ブランド地鶏「百日どり」や!
よく考えたら先ほどのモーニングから1時間くらいしか経ってませんが、まぁ良いでしょう。
お店の方が「鶏肉の甘さを味わってください」ってゆーてはったけど、ほんまに美味しいお肉でした。
ご飯のセットに生卵も付いてくるんですが、玉子かけご飯にしたら濃厚でうまかった!
「大阪から来ました!」って言ったら驚いてもらえました。姫路の辺りから走りに来る人は多いようで、食べている間も自転車は何台も見かけましたね。
往路は輪行すればもっとゆっくり楽しめるやん!と、当たり前のことを感じてしまったひと時でした。
あんまり腹減ってないとか言ってたのに、みんな普通に食べてたから、ソーセージも買えば良かった!めっちゃ後悔した。
登り坂で撃沈
自宅から100kmほど走ってランチをして、折り返し。
往路とは違うルートで大阪へ戻りましょう!
丹波方面からグルっと周るのも考えたのですが、今回は黒田庄のほうを経由して帰ることにしました。
どちらも距離はあんまり変わらないと思いますが、走りたい道があったのです。
以前も走った記憶のあるストレート。
前にハンバーガーを食べに行ったときだな。
快走路をぐんぐん進むぜ!
道中に「はりまの里」というサイクリングコースの案内板が何度も出てきました。
スーパーロングコースとか書いてるけど、80kmくらいの初心者向けのやつなんやろなぁ。なんてこおとを思って調べてみると・・・
ガチやんけ!
なんかちょっと走ってみたいな、このコース。
東へ向かう県道139号。快走路に見えますが路面状況がイマイチで惜しい。
ちょっとした登り区間「石原坂」に差し掛かりました。
ピークにはトンネルがあり、ここが多可と西脇の境になっているようでした。
西脇まで戻ってきました。
往路で越えた加古川を再び越える。この日はまさに西へ東へでした。
黒田庄を通過する県道294号から、篠山方面へ向かう県道36号へ。
いよいよ今回最大の登坂区間へ突入です!
登坂区間と言っても、10kmほどかけて標高差350m弱くらいを登るだけです。
しばらく緩い登りがダラーンと続く感じでした。
走る道の先が見えますね。
なぜか未だに先頭交代をしながら走っていたので、このダラダラ登りも長く続くとつらいものがあります。
そんなときに目の前に現れたのが、前々から気になっていたこちらのお店でした。
【つむぎ菓子店】
西脇の端っこ、山の中に立っている古民家菓子店。
中でカフェも楽しめるので、休憩しない訳にはいきません!
焼き菓子やケーキ、そして自家製ドリンクやこだわりのコーヒーなど。
こだわりを感じるメニューがたくさん!
中は非常に落ち着いた雰囲気。
クラシックが流れていて、なんとも居心地の良い空間でした。
ロールケーキと自家製ジンジャーエールを頂きました。
ケーキはもちろんのこと、ジンジャーエールめちゃくちゃ美味しくてビックリしました。
なかなかの立地なので、自転車で行く難易度はありますが、ぜひ近くを通られたら寄ってほしい素敵なお店でした。
ロゼさんはくつろぎすぎて、おばあちゃんの家に来たみたいな雰囲気になってはりました。古民家って、なんか落ち着くんよね・・・
悶絶の終盤戦
そういえば、登坂区間はまだ終わっていませんでした。それどころか、どうやらここから勾配が急になるようです。
休憩してすぐに登るのイヤだ!
もはや誰も脚が残っていません。パワーの代わりに絶叫して登るしかありません。
西脇と篠山の境、「比延峠」をクリアです。
黒石ダムの横を降って、今田町のほうへ向かいます。
ゆるく下り基調の道は、脚を休めるのに最適♪と思っていたら、前へ出てスピードを上げるがんちゃん。
もう許してください・・・
今田町のあたりはサクっと通過!
今田町から三田へ抜ける道は、地味なアップダウン。
三田へ入ったときには、かなり安堵してしまったのでした。
ここからは少し遠回りになりますが、青野ダムのほうを経由するルートをチョイス。交通量も少なくて、自転車的には圧倒的に走りやすいですからね。
ということで、相野駅の横を通って本庄の方へ。
そういえばこの道もちょっとしたアップダウンが続きますね。
元気なときはなんにも思わないけど、満身創痍で走るのはかなりつらい!
「脚回らへんけどダンシングなら踏めるねん」という、よくわからない理論で登り坂を颯爽を走るロゼ氏。未だに理解ができない言動だったです・・・
小野公園の自販機で小休憩。
ここで買ったチェリオの炭酸飲料のマズさは筆舌に尽くしがたいものでした。一生買わんぞ、あれ。
そして往路でも使った北摂里山街道で猪名川まで。
いつも終盤になるとタレるのががんちゃんの素敵なところ。しかしこの日は違いました。なぜかずっと元気なのです。マムシドリンクでも飲んできたんか。
おかげで猪名川までの区間、死ぬほどしんどかったです。
そして猪名川でロゼさんとはお別れになりました。わたしはもう燃え尽きました。
まだ家まで30kmあるんですけど・・・
じゃあ、がんちゃん。池田まで一緒にがんばって帰りましょう!
あ、ぼくロゼさんの家の近くに車停めてるんですよ。
ファー!!!
おふたりとも、さようなら。
げんきにかえります。
出がらしの帰り道
思っていたよりも手前で一人ぼっちになりましたが、まぁボチボチ帰りましょう。
いつもの川沿いの道で池田方面へ。
うおおお、めっちゃ帰ってきた感じするー!(家まであと20kmほど・・・)
普段ならスルーするところですが、お腹も減ってきたのでコンビニで休憩しました。
このチョイス、完璧ちゃうかな。
川沿いはめちゃくちゃ向かい風。もう風に流されないようにだけして帰ります。
猪名川の堤防、草が刈られて走りやすくなってました。ありがとうございます!
神崎川に入ると追い風になったので、自分の日頃の行いの良さを褒めてあげました。
ボロボロになりながらも、無事に淀川まで帰着!
お疲れ様でした!
おわりに
楽しかった多可町ライド。
今回立ち寄ったお店、どこも良いお店でした。また何かの機会に行けたら良いんですけど、なんせ遠いね!
自走で行くと距離が嵩んでしまうので、篠山とか姫路まで輪行して走るのも良さそうですね。
誰か一緒にやろうー!
楽しかった裏に、みんなそれぞれがボロボロになりながら走る悶絶のライドの姿がありました。
「数年前はもっと走れたんや…」というオッサンの醜い言い訳を飲み込みながら、みんなそれぞれがんばりました。
何がそこまで僕らを駆り立てたのでしょう。
実はこのライドには裏テーマがあったのです。
「あかのすけさんに捧ぐ」
「彼が喜んでくれるような走り(悶絶)をしよう」という、良く分からない共通認識があったからこそ、ぼくらは最後まで力を振り絞ることができたのです。
あかのすけさん、共に走りましょう!!
悶絶シリーズ、つづく(?)
今回の軌跡
距離:208.73 km
タイム:7:09:58
平均速度:29.1 kph
総上昇量:1,514 m
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