はじめに
こんなやり取りから生まれた「仙人風呂ドボンライド」の話。
これサイコーですね!ぜひともドボンしに行きましょう!
— ぺもぺも (@_pemopemo) November 30, 2022
仙人風呂は、温泉街のそばを流れる大塔川に温泉が湧き、「川が温泉となっている」というもの。
これを実現するに当たって、別件で走り残した道の存在を思い出していました。
数年前に那智を走った際、気になる道を走り損じていたままだったのでした。この機会に是非リベンジしたい…
というような欲望をギュッと合わせて、今回のライド案が完成いたしました。
今回のライド案
熊野の道の駅を起点として、まずは那智の滝を目指します。
ここで登場するのが、前述の「走り残した道」こと和歌山県道44号と43号を繋ぐ山間ルート。
このウネウネの道を走って、那智の滝までアクセスしようという魂胆です。
ちなみにこの道、見るからにマニアックな道だと思っていたのですが、なんと先日のSR600でLovelybeerさんは既に走破したとのことで、今回は唯一の識者となります。
那智の滝の後は勝浦へ行って昼食に「マグロ」を頂く算段。
その後は新宮でブラブラと観光して、熊野へ戻り、最後に「仙人風呂」で走った疲れを癒そうという珠玉のプランでございます!
というわけで、
今回テーマ「那智とマグロと仙人風呂」を叶えるべく走ってまいりました!
車載で熊野スタート!
恒例のkazuさんカーにお世話になる形で、今回は5台5人の精鋭が集まりました!
メンバー順不同!
- Kazu.jumpさん
- Lovelybeerさん
- ぺもぺもさん
- きゃぷちゅんさん
- DARUMA
早朝に熊野に到着。
道の駅を起点として、まずは「那智の滝」を目指して走ります。
熊野川に沿ってスタート!
いきなりロケーションが最高すぎる。
大きな道を外れて山に向かって行きます。
道の横に流れるのは、熊野川に注ぐ赤木川。
走っていると川岸に小さな鳥居があったんですが、その間から見える川の美しいこと…
昨年の夏に安川渓谷にドボちょんライドしに行ったのも記憶に新しいですが、この辺りの川は本当にキレイだなぁ。
長閑な風景の中を走りながら、いよいよ山へと入って行きます。
というわけで、いよいよ今回のメインルートへ突入です!
山を走る県道44号へ!
道は徐々に狭くなりはじめ、周りの風景も変わってまいりました。
あああ、好きな感じだ!
序盤から雰囲気の良い林道感を味わいつつも、路面の悪さ、そして落石の多さには神経を使いました。
変なタイミングでよそ見をしてしまうと、石を踏んだり、ゴボっと開いたアスファルトの凹みに突っ込んでしまう恐れがあります。慎重に走らないと!
しばらく進むと分かりやすく登り区間が始まります。
那智の滝までに大きな登りを3つ越える必要があるのですが、まずはその一つ目です。
思っていたよりも良識のある登りで一安心。緩急のある道をボチボチ登って行きました。
見渡しの良い場所から見えるのは、山、そして山。
地図を見ていた時点で薄々気が付いてはいましたが、まさに山に囲まれて走っている感じでございます。素敵。
この辺りは木が間引かれていたり、山もしっかり整備されている印象を受けました。
それと同じく多かったのは、伐採されまくりのところ。こうなってくると見通しも良くて、逆に新鮮な感じすら覚えます。
この開放感!
今の日本の山に植樹された杉なんて要らんねや!(花粉症過激派
見える景色はこれですよ。
めちゃくちゃ良い。なんかこの景色に日本が詰まってる。
そしてまたこの感じの道が続きます。
たまにパっと集落が広がったりも。ここは滝本という集落のようでした。
そして那智勝浦町へ。
ここでちょっとしたハプニング。
普通にゆっくりと登っているときに、道の落ち葉を踏んでしまったのか、後輪がヌル~と滑って左側へコテン。
落車してしまいました!
ほぼ立ちゴケに近い形だったなので、身体も自転車にもダメージはなかったんですが、骨折中の身なので、大変焦りました・・・
急な坂道で後輪が空転してしまうことは良くありますが、最後までグリップが効かないまま、静かに横にヌルーっと滑ってコケるなんてことは今まで経験したことがなかったので、ちょっとビックリしました。
落車したこの登りは二つ目の難所でした。
上まで登るとなかなかの眺めだったんですが、またもや山&山!
自転車でこんな景色の中を走れるなんて、本当にAin’t No Mountain High Enoughな気分。
残るは三つ目の登り、最後の難所だ!
那智の滝へ!
途中から県道45号線、そして43号線へと走って、いつの間にやら「那智街道」と呼ばれる道を走っていたようです。
その拠点の一つ「籠」の集落へ到着しました。
こう言っては失礼だけど、「こんなところにも自動販売機あるのか!」というようなところで、小休憩。
この日は気温も高く、秋冬ジャージもスタート早々に脱ぎ捨てたくらいでした。日向が気持ちいい。
少し先へ進むと、田垣内の集落?が出てきました。
高台から望む風景は抜群でした。
名所でもなんでもないんだろうけど、こういう風景に出会えるのが自転車の楽しいところの一つですね。
ここから最後の難所へと入ります。
最後は二段階の登坂区間になっているので、まずは最初登りをエッチラオッチラ。
なんかまたすごいところに出てきた!
さっき見ていた集落がこんなに下に見える!
あの向こうから走ってきたのかなぁ。毎度のことやけど、こういう道のりを自転車で走るって、わけわからんなぁ。
ここから那智高原のほうへ向かうため、県道43号を離れます。
離れた途端に二段回目の登りがスタート!しかも急勾配だ!!
視界に誰もいなくなりました。みんな速すぎ。
登りのピークは「那智高原公園」。
那智山登山の拠点になってるっぽかったですね。
そこから那智の滝方面へダーっと走っていくと、途中でついに海が見える場所へ!
勝浦・太地方面だ。
そして反対側を見ると、「卍」だ!
googlemapで気になっていた、あの卍にようやくやって来れました。
空から見るほうが卍。
あとは那智の滝までは下り坂。
海の見える良い道だったなぁ。
途中にある「那智山見晴台」に寄り道。
前回来たときは、那智の滝方面からここまで登って引き返したのでした。これでようやく線が繋がって、小さい野望が叶えられた感じです。
さらに下っていくと、遠くに那智の滝が見えてきました。
そして那智大社の参道まで。
せっかくなので、滝をバックにソフトクリームをいただきました。
参道近くにある唯一公式と謳った「那智黒ソフトクリーム」。結構甘さが強かったけど、疲れた体には美味しすぎる逸品でした!
那智の滝を近くで見るのには、ゴツゴツした道を歩いて降りなければいけません。ビンディングで行くのは一苦労です。
もう3回くらい見たことあるので、めんどくさくて行きませんでした。薄情者ですわ。
これにて今回の難所が詰まった山区間は終了!
あとは勝浦でお昼ごはんを食べてヒャッハーするだけだー!!!
マグロを食して新宮で終わる
那智の滝をあとにして、意気揚々と勝浦へ向かいました。
お目当てのお店へ到着すると、休業日だったことが発覚!しかし、すぐさま代わりのお店をリサーチして、こちらへやってきました。
【竹原】
まぐろ料理のお店として名高いお店のようで、しばらく待ちながらもなんとか入店。
店内には有名人のサインも多く、古き良き吉本新喜劇の俳優さんのものもたくさんありました。
「ちょ、岡八郎のサインあるやん!」と興奮気味にきゃぷちゅんに伝えましたが、彼は岡八郎を知りませんでした。おい、若人!どないなってんねん!!
頂いたのは「まぐろ定食」。
刺し身はもちろんだけど、小鉢に入ったポン酢でいただく「炙り」はかなり美味しかった!
他にも一品料理が結構いろいろありました。
きゃぷちゅんの頼んだ「まぐろの卵」を頂きましたが、あっさりとした味わいでかなり好きな感じでした。定食ではなくお酒を片手に一品料理をつまむと最高に幸せだろうな・・・
他のメニューも食べたい!と思わせてくれるよいお店でした。
ちょっとした思いつきで、「ここから新宮までサイクルトレインに乗ろう!」ということに決まったのですが、そこでLovelybeerさんより提案頂きました。
- 車の待つゴールまで30kmちょっと。
- サイクルトレインを待つ時間などを考慮すれば、肝要の「仙人風呂」に明るい時間には間に合わない可能性が高い。
→それなら今から自走で車を取って迎えに行くので、新宮ゴールにしてしまうのはどうか?
要は「電車で新宮ゴール組」と「自走でゴール組」を分けようということ。
いやいや、待ってくださいよ!
ぼくらは自転車で走りに来たんですよ。電車に乗りに来たんではないんです!しかも新宮でゴールって、そんな情けないゴールなんてあるんですか!?ビアさん、見損ないましたよ!
・・・なんてことは1mmも思うはずはなく、わたしはすべてを甘んじて受け入れました。横に立っていたきゃぷちゅんに「じゃあビアさんとよろしくね」と伝えて、僕らは電車で新宮を目指すことにしました。
お迎えお待ちしてます!
ゴールへと向かう二人の勇姿を見届けてから、残りの三人は次の電車まで時間つぶしをせねばなりません。
大変に遺憾ながら、アイスクリームでも食べてキルザタイム。
そんなときに、ふと悪い予感が頭をよぎったのです。
「本当に14:50に電車は来るんですか??」
聞いた話だと14:50に電車があるということ。私も以前に時刻表を読み間違えたことがあるんですが、なんかそのイヤ〜な予感がしたのです。
文明の利器、スマホで再度リサーチしてみましょう。
しかし14時台には電車はありません。
最近の若者はイケナイ。インターネットの情報をすべて鵜吞みにしてはいけないのだ。結局、一番信頼できる情報は自分の目で見たもの…すなわち駅にあるのです!
早速、すぐそばの新宮駅まで行き「生の時刻表」を確認してみました。
【超絶悲報】14時台に電車なんて、ない!!!
ないやんけ!ネットの情報正しいやんけ!!
厳密に言えば14:50の電車はあったけど、逆方向の「串本行き」ではないか!!!
オーマイゴッシュ!!!!!
人の厚意に付け込んで、二人をゴールまで走らせたにも関わらず、サイクルトレインはなかったのだ!事態を把握した三人のおっさんの顔色が漂白されました。
もはや残された道はひとつ。
新宮駅(16km)まで走るしかない!
もし先行して走ってくれた二人を新宮駅で待たせることになれば、それはもう考えうる最悪の事態。市中引き回しの刑に匹敵する。
「さっきまでアイスクリームをペロペロしていた時間はなんだったのか…」と頭をよぎりつつ、すぐさま自転車に飛び乗りました。そしてこの日、一番一生懸命にペダルをこいだのでした。
今回のライドの出発前、「走り切れるか不安です」と心情を吐露していたkazuさん。なぜかこの区間で先頭を牽いてくれたりして、火事場のナントカ的なものを感じたひと時でした。
おかげさまで無事に新宮駅にも到着。先行組の二人は予想以上に早く迎えに来てくれました。そして事情を話して、ごめんなさいと言いつつライドは終わりを迎えたのでした。
と、大団円で終わった感がありますが、メインはここからなのです。
いざ、ライド後の「仙人風呂」へ!!!
仙人風呂を満喫する!
仙人風呂があるのは熊野の川湯温泉。
ゴール地点からだと割と近い場所なんですが、今回は前述のゴタゴタもあって、新宮駅から再度熊野方面へ向かいました。
川湯温泉は、以前の熊野ライドで行ったことのある渡良瀬温泉の近くでした。
早速、川湯温泉の駐車場に車を止めました。水着を着用して入らないといけないので、こちらのトイレで着替えようかと思っていたら、トイレにちゃんと更衣室が備わっているではありませんか!すごい!
駐車場から150mほど歩いて、温泉へ向かいます。
その辺の川辺を掘っても温泉が湧くようなんですが、それはいろいろと難易度が高そうなので、しっかりと整備された野天風呂があるので、そちらで入浴。
「川で湯に入る」という稀有な体験自体も楽しいのですが、下から湧き出る温泉が局所的に暑かったりするのも、なんとも不思議な体験でおもしろかったですね。
そして驚いたのが川の透明度。めちゃくちゃ綺麗やん。
露天風呂と一緒で、お湯に入ってしまうと温かいし、温泉で体の芯までポッカポカです。帰りの駐車場まで夏の海水浴さながらの格好で戻るわけですが、寒さを感じないほどに温まりました!湯冷めの心配も全くの杞憂でしたね。
冬季限定の仙人風呂、最高でした!!
おわりに
今回「真冬のドボンライド」をテーマに仙人風呂ライドをしてきました!
本来であれば自転車で温泉まで乗り付けて、川(温泉)にドボンしたのち、再び走り出す…というのが美しい流れだったのですが、さすがに冬にそれはできないので、こういう別添プランになりました。
ただ荷物の運用なんかを考えても、自転車で立ち寄るのは現実的に難しそうだったので、車載で行くのが正解でしたね!
ラストの仙人風呂を堪能したいがため、ライドの終盤はなかなかの変化球になってしまいましたが、まぁそれもおもしろかったのでヨシ!
本当は速玉神社のあたりも満喫する予定を立ててたのですが、今回叶わずだったので、またいつか訪れてみたいと思っております。
というわけで、企画&車を出していただいたkazuさん、そして一緒に走ってくれた皆さん、ありがとうございました!!
「那智とマグロと仙人風呂と」
テーマをすべて回収できた秀逸なライドでございました。
またどこか走りに行きましょう!
今回の軌跡
距離:66.25 km
タイム:3:37:07
平均速度:18.3 km/h
総上昇量:1,151 m
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