はじめに
1月に軽い気持ちでエントリーをしてしまった「六甲縦走キャノンボールラン」。
1年前には「そんな訳の分からんことできへんに決まってる!」と言っていたにも関わらず、色々と体験するうちになぜか挑戦したくなってしまったのです。40代の七不思議。
六甲縦走キャノンボールランとは?
春と秋に開催されている六甲山系(須磨~宝塚)を縦走する大規模な草レース。
今まで30回以上行われてきた実績のある大会で、これを完走するということは、私のようなトレラン初級者からすると大変大きな目標なのであります。
カテゴリは大きく分けて4つ。
- SPEED = 片道だけ走る
- NIGHT SPEED = 夜出発で片道だけ走る
- POWER = 往復で走る
- RAINBOW = 1.5往復走る
春は「宝塚 to 須磨」、秋は「須磨 to 宝塚」と進む方向が変わります。
公式にはSPEED(片道)で56km表記がありますが、大体42~45kmくらい(使うコースによるけど)に収まると思われます。POWERで90km?RAINBOWで135kmくらいになるのかな?
あーSPEED以外は理解が追い付きませーん。
初挑戦の初級者なので、カテゴリはSPEEDでエントリー!
一人で走るのは心もとないので、トレラン&自転車仲間のLOVELYBEERさんを道連れにして二人で参加することにしました。(最近自転車より山で会う方が多いのでは・・・)
果たして完走できんのか!?
完走目標と言いながら、いつもの自分たちの走行タイムから考えて「できれば9時間くらいでゴールしたい」という目安を持っておくことにしました。
達成できんのか!?
準備編
何か入念に準備できたとも思えないですが、一応備忘録として書いておこう。
まずは生駒縦走でひと悶絶
普段のトレランは20~30kmくらいのコースが多い上に、日頃トレランの練習なんかもできていないので、経験が足りていないことは明らかでした。
そこで長めの距離を経験すべく「生駒縦走」を“仮想・六甲キャノボ”として走りました。生駒縦走よりも獲得標高も多く、明らかに難易度も高い六甲縦走でしたが、これは本番までに経験しておいてとても良かったです。
これは偶然ですが、二週間前にびわ湖マラソンを走ったのも、良い刺激になったような気がしています。
コース
大前提として「走るコースが決まっていない」というのがこのレースのポイント。それによって距離も獲得標高もある程度の幅ができるということになるようです。
偶然ネットで拾ったルートがショートカットも多く含むレイアウトでして、本番はそれを大いに参考にして走りました。終盤以外はほかの参加者も多く迷うこともなさそうでしたが、準備は大切!
短いコースだと42kmほどで終わるという情報もありましたが、まさにそれございました。(ルート詳細は本記事の下部に記載)
当日の持ち物
当日は「いつものトレラン装備」+「マイカップ」という感じで挑みました。
- ザック(NORTH FACE TR10)
いつものトレランバックパック。フラスクは500ml×2。
- 補給食
念のため、補給食は多めに持って行きました。エイドでの補給もありましたが、多めに持っていることで、安心感や補給のタイミングに自由度があって良かったです。最近のお気に入りはベビースターのやつ。
水分補給は主にエイドでできましたが、コース上に自販機も沢山ありました。
- ウェア
めちゃくちゃ天気も良くて暖かい予報(神戸で13℃/22℃くらい)だったので、完全に夏用装備。ウインドシェルはスタートしてからゴールするまで一度も使わなかったです。
- 投げ銭
エイドは投げ銭システムなので、100円玉はすぐに出せる場所に入れておきました。500円玉でも良いんだぞ。なんなら紙幣でも良い。
当日のこと(前編)
簡単に当日のことを振り返り。
7時前に宝塚駅に到着。駅に着いたら同じ電車からトレイルランナーがたくさん降りて来て、既に大会の雰囲気が漂っておりました。
駅からスタート地点の塩尾寺の休憩所まで歩きますが、反対方向から降りてくる人たちも多かったです。彼らが「Night Speed」を走り抜いた猛者たちだということはすぐに分かりました。面構えが違うぜ・・・
受付を済ませて、簡単な開会式の後、いよいよ8時からスタート!
速い人ほど先にスタートするだろうから、ほぼ最後尾からスタートすることに。しかしすごい光景!

多くの人が塩尾寺を経由しないショートカットルート(上の写真の階段のほう)を選択。僕らも階段のほうを選んでスタート。
序盤は一気に六甲山頂まで登るのでペース抑えめに!と思っていましたが、割と渋滞もあってスローペースにならざるを得ない状況でした。おかげで突っ込まずに済んだかもしれません。

途中で縦走路に合流して、そのまま六甲山頂へ。まだ9km弱しか進んでいないことに驚きを禁じ得ないぞ・・・
「エイドが出ている!」と思って寄ってみると、ワインのみのエイド(!)だったので見送りました。

六甲山最高峰は素通りしても良かったんですが、せっかくなので寄り道。この時はまだまだ元気でしたね。

天気に恵まれましたが、霞みまくりで景色が見えぬ。

ここからは舗装路を多く使う感じで六甲ガーデンテラス(約12km地点)を通過。ここもトイレとか補給とか必要なければ寄る必要なかった?と思ったけど、通ったほうが近道なのかも。

そこから少し先、約14km地点でThird Place Rokkoエイドがありました。

コーラとチーズパンスープ(←絶品だった!)を頂きました。少し腰を下ろして休憩できたのも良かった。
ここから次のポイント「掬星台」までは、6kmほど区間距離がありました。ただ舗装路が多いため思っていたよりも早く到着できた気がします。
摩耶山、掬星台へ。

絶景なり!

ここのエイドには、おにぎりやラーメンなど色々。TRIALカテゴリのゴール地点でもあったので、かなり盛り上がりを見せていました。

この掬星台で20km弱、おおよそコースの中間地点となります。11時半に着いたのでスタートから約3時間半でここまで来れました。ここまでは意外と順調なのでは・・・?
また想定していたよりも自分が元気だったこともあって、完走が現実味を帯びてきたぞ!とこの時は思っていました。
当日のこと(後編)
ここから先は一気に下っていくので楽ちんかと思いきや、急な下りも多くなかなか難しいところも多かったです。

ようやく降り切ったところが市ヶ原堰堤でした。
長い下りでかなり消耗しましたが、休憩している人も多かったので、とりあえずここは先に進むことにしました。

休憩しなかった代わりにゆっくり歩く感じで、再度山へ。

ここからは鍋蓋山への登り。以前登ったときと違うルートだったので気が付かなかったですが、途中で見たことのある道に出てきました。
そのまま山頂へ。ここも絶景なり!
ここから一度下ってから、菊水山への登り返しへ。
この辺で「前のフルマラソンがしんどすぎたから今日はまだ平気かも~」的な発言をしてしまいましたが、その先すぐに前言撤回となるのでした。
そしてこの菊水山の登りがなかなかしつこく感じながらもなんとか登頂。その先の菊水山展望台まで行くと、パンダエイドというエイドがありました。パンダのお姉さんがかわいくてすこぶる元気になりました。頭の作りが単純で良かった!
水とそうめん頂きました。

菊水山の下りは階段の多い道でした。それを下りきると噂のエロ本エイド!

途中、危うく鵯越駅方面への分岐を素通りしてしまったもののすぐに気が付く。前を走っていて戻ってきた人もいたので、間違えやすいポイントなのかも。
その後、鵯越駅近くの自販機でフラスコに麦茶を補充。水分を購入したのはこの一回だけでした(エイドありがてえ!)
山から出た安堵かなんかなのか、この辺りで急に疲れを認識。それに加えてヒラメ筋と思われる場所が少し痛み出したので、慎重にならざるを得なくなったのでした。(結局この後ひどくもならなかったけど)
この後はしばらく住宅地を抜ける区間。ちょうど一緒になった同志たちに引っ張られるように妙法寺まで。そこから須磨アルプスの登り口に。

先述しているルートを活用して、マイナールートをチョイス。メリット・デメリットありそうですが、歩きづらい「馬の背」を少しカットできるのはメリットかも。

というようなルートを経て「馬の背」へ。

すごい眺めやー。

そのまま横尾山頂を通過。

おおお、明石が見えるぞー!

もはやボロボロになっていた状態で、この馬の背・横尾山のアップダウンはかなりキツかった・・・

次なる鉄拐山・旗振山方面へ。山から住宅地への下りは噂に聞いた400階段。

高倉山のほうから山に入り、残すは獲得標高で100mちょっとのアップダウン。それだけでももう精一杯の感じで、それでも走れるところはボチボチ走りながら、なんとか旗振山まで。
もう海が近い!あとは下るだけ!!


須磨浦山頂からの階段地獄を味わいながら、ヘトヘトでゴール!
タイムは手元で約8時間37分!やったね!

ゴール地点の近くに六甲全山縦走路の案内がありました。この通り走ったわけではないけど、ほぼ今回の軌跡みたいなもんです。
なんかめちゃくちゃ感慨深いぜ・・・

いやー、達成感えげつないなー!
今回の軌跡
距離:41.85 km
標高:2,356 m(ビアさんのログだと2,450mUPでした)
前述の通り、須磨の住宅地や「馬の背」周辺はショートカットになっています。馬の背に至る道は少し分かりづらいので要注意。迷うくらいなら分かりやすい道を進んだほうが◎かも。
おわりに
めちゃくちゃ楽しい大会でした!
もうちょっと殺伐とした雰囲気があるのかと思っていましたが、みんなそれぞれのスタイルで楽しみながら参加されている様子が感じられて、さすが長く愛されているイベントという感じでしたね。
本当に一種のお祭りみたいな、そんな感じのレースでした。素敵でしたわ。
「完走するためにあんまりがんばらんとこ。」というのが今回の合言葉みたいなもんでして、「急がず淡々と行こうぜ」という意味合いで、道中Lovelybeerさんと何度かこんな感じの言葉を交わしながら進んでいました。
理想は「余力を残しながら…」というイメージでしたが、結局は終盤かなり厳しい感じになっちゃいました。どうやったら手に入るの、タフネスは。
一緒に走ったLovelybeerさんをはじめ、エイドで声援をくれる人、名も知らぬ同志たち、POWERカテゴリで明るく走るツワモノの背中を見たりすると、何とも言えぬ励みになりました。
今の実力だとこれが限界値という感じですが、良からぬ達成感を味わってしまったので、また機会があれば何かやりたいですね!
いやー、強烈に楽しかった!
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