さてさて。
少し前にDestinyについて書いたことがありました。
(若者よ、ユーミンを聴け!~名曲「Destiny」を語る)
その最後にもチラっと触れたんですが、
それとはまた違った失恋ソングとして、
異様な生々しさを誇る楽曲が、今回紹介する「真珠のピアス」です。
大変ベタな選曲ではありますが、これはそれほどに鋭いリリックが特徴的です。
1982年発売のアルバム"PEARL PIERCE"の2曲目を飾る表題曲。
冒頭の「ようこそ輝く時間へ」のアウトロから間髪いれずに始まるのが新鮮。
ユーミンの楽曲の中では稀有な演出かと。
イントロから随所に入るギターのカッティングがとても印象的で、
このときの流行だと思いますが、都会的なサウンドが良いですね。
こんな感じの歌詞なのですが、描写が素晴らしい。
この曲はとにかく「生々しさ」が伝わります。
「真珠のピアス」
Broken heart 最後の夜明け
彼のベッドの下に片方捨てた
Ah…真珠のピアス
肩にアゴをのせて耳元でささやくわ
私はずっと変わらない
背中にまわす指の力とはうらはらな
あなたの表情が見たい
もうすぐかわいいあの女(ひと)と
引越しするとき気づくでしょう
Broken heart 最後のジェラシー
そっとベッドの下に片方捨てた
Ah…真珠のピアス
古ぼけた広告でヒコーキを折ってみる
高台の部屋の案内
いつか住もうと云って微笑んだあの夢へ
せめてヒラリと飛んでゆけ
どこかで半分失くしたら
役には立たないものがある
Broken heart それはあのとき
蒼い心の海にひとつぶ投げた
Ah…真珠のピアス
付き合っていた彼が、自分ではなく"かわいいあの女"を選び、
ふられてしまった、そんな主人公を描いています。
ベッドの下にこっそりと真珠のピアスを片方捨てて行く。
かわいいあの子と引っ越すときに見つかれば良い。
そんなほんとに生々しいジェラシーを持った主人公の想いが描かれていますね。
さてさて。
この物語の人物関係など、少し掘り下げたいと思います。
歌詞には明確に書かれていないので、個人個人での推測になってしまいますが、
(そこがおもろいところでもある)
どうでも良すぎるでしょうが、ぼくの推測だらけの解釈をここで書こうと思います。
Broken heart 最後の夜明け
彼のベッドの下に片方捨てた
Ah…真珠のピアス
"最後と知りつつ、夜明けのベッドにいる"ということに違和感があります。
彼のほうは"真剣"に付き合っていたワケではなかったのでしょう。
いや、こいつは遊び人に違いないですね。
ほんとにユーミンの歌には遊び人の男がよく出てきます。
古ぼけた広告でヒコーキを折ってみる
高台の部屋の案内
いつか住もうと云って微笑んだあの夢へ
せめてヒラリと飛んでゆけ
主人公は同棲・結婚まで考えていたほど、真剣にお付き合いしていたのでしょう。
しかし、それは一方的な感情だったのでは。
もし、この広告も大切に取って置いていたものなら、なおさら寂しいですね…。
この"せめて"に、心の重さが感じられます。
もうすぐかわいいあの女(ひと)と
引越しするとき気づくでしょう
男は二股をかけていて、主人公とは遊びだった可能性が高い気がします。
(付き合ってすぐに"引越し"などしたりはしない、という前提ですが。)
前の歌詞の「引越し=本気」という意味合いが、
同じようにかかっていると考えれば尚更そんな気がします。
もしかして主人公は"かわいいあの女"を知っていて、
それを承知で付き合っていたのであれば、さらなるやるせなさがあります。
そんな風に見ていくと、とても哀しい歌のような気がしてきます。
主人公の必殺技「恐怖のピアス捨て」にばかり注目されがちだけど、
恨み節だけではない歌なんじゃないかと思いますね。
どこかで半分失くしたら
役には立たないものがある
これが主人公が男に対する思いなのではないかと。
"Broken Heart"
これもまた切ない失恋ソングですね~。
1982年リリースのアルバムということで、
自分が生まれる前の作品ということになりますが、
未だに色あせない作品ですね。
ユーミンにどっぷりハマった昭和世代の1人ですが、今はすっかり嵐の虜です。あんなに聴きまくった「5cmの向こう岸」の切なさや、やるせなさに浸っているのも悪くないですが、今は嵐の「身長差のない恋人」でぶっ飛んだ時の爽快感と幸せエネルギーを注がれまくったワクワク感の方が超心地良くなってしまいました!どうか両曲をお聴き比べの上それぞれの楽曲の良さに触れてみて下さい(^_^)
コメントありがとうございます!
「5cmの向こう岸」!名曲ですね~。
このブログでも書こうと思ってる曲の一つです(笑)
嵐ですか!一度も触れたことのないジャンルですが、
機会があれば「身長差のない恋人」、聴いてみますね♪
コメントありがとうございます
学生時代は全く興味がなかったアイドルグループでしたが社会人になってからたまたまライブ…と言うよりコンサートを観る機会があり、そこからドはまりしてしまいました(笑)
ユーミンは荒井時代からのファンでしたし今でも勿論聴きます
「埠頭を渡る風」や「ダウンタウンボーイ」や「卒業写真」「14番目の月」…その他超多数の名曲に酔いしれユーミンの物憂げ感やチクッと突き刺さる甘い痛み感に心地よさを感じていた私にとって、アイドルの…嵐のこれでもかッてくらいストレートで分かりやすく聴き手をひたすら楽しくさせてくれる潔さに、その誰にも手を差し伸べて「こっちに来て!!」と言わんばかりの爽快感にヤラレてしまいました(≧∇≦)
「身長差のない恋人」は、他人からの見た目を気にしてばかりでお互いの本当の気持ちを伝えあわないまま若い2人の恋がエンドマークを迎えてしまうと言う切なさに共感を覚え、やっぱりあの頃はバランスって大事だなぁと納得させられて「気持ち分かる〜」の連続でした
所が数年…数十年経ち(笑)嵐の「身長差のない恋人」という曲に出逢い目からウロコ!可愛い!気持ちイイ!こんのありなんだ!と思い知らされた次第です
タイトルどうりさほど背丈が変わらない若干バランスのよろしくない恋人達の日常を歌った曲ですが、その2人の身長差のことをアッサリサッパリそんなの気にしなでいこうよ!と彼が言い切って来れる歌詞があります!
それが「 空までの距離 にすれば同じさ Love you for Just 宇宙の規模でみれば大きいも小さいも不要」と言う内容で、普通彼女が1番気にしているであろうお互いの身長のことを「ぜんッぜん大丈夫!俺は気にしない!だって君が好きな気持ちの方が上だから♫」と言い切ってくれている訳です
他にも歌詞の中に、身長差があまり無いことを気にしてかピンヒールを履かない彼女に対して「ゴメン スニーカーばかり履かせて」とか「ビンテージのジーパン貸すよ 君の方が足は長いみたい」というくだりがありますが、それでもとにかくストレートに自分達のバランスはイマイチだけどハートはジャストフィットという気持ちを彼は伝え続けてくれる訳です
ユーミンの曲に出て来るちょっと屈折した寂しがりやではにかみ屋の”男子”は、時代の流れと共にストレートな愛情表現を繰り返して大好きな女の子に気持ちを伝え続けられる”男の子”に変貌していった訳です
無論、嵐の曲に出て来る彼氏や男性が全てがそうではありませんが、この「身長差のない恋人」の彼は正に平成の男の子…..という感じがしてならないのです
ユーミンの曲の彼もこんな男の子ならハッピーエンドを向かえられたかもしれないですが、あの頃では中々そんな展開は望めなかっただろうし、「5cmの向こう岸」はあのアンハッピーエンドがあったからこそ大人になって気付く事もある…と振り返って色々な想いを感じられる成長songなのです
長くなりましたが又チャンスがありましたらこの二曲を是非お聴き比べ下さると嬉しいです
次回も山のようにある(笑)ユーミンのアンハッピーエンドソングについてお伝え出来たら幸いです
先ほどのコメントにニアミスが(⌒-⌒; )
〈ヤラレてしまいました(≧∇≦)〉のすぐ後の曲名は「5cmの向こう岸」が正解です
失礼しましたf^_^;