先日、ふとチャップリンの映画が見たくなってしまい、
ゲオの宅配レンタルにて何作か借りることにした。
特段に映画好きでもないので、
例のごとくチャップリンの映画を見たのも、
父親が見ていた横でサラッと見た記憶くらいしかなく、
それも十数年前の話になるので、
自発的に、そしてまともにチャップリン映画に触れるのは初めて。
ぼくらの世代は"チャップリン"も、
"男はつらいよ"も知らない人が多い。
「ビートルズも戦争もしらないけど」ってヤツです。
ミスタービーンのルーツがチャップリンにあることすら、
意外と知らない人も多かったりする。
ぼくはまだ運が良かった。
その10代頭で見たチャップリンは印象的で、
中でも「"モダンタイムス"はおもろかった!」という記憶はある。
しかし内容を失念してしまっているので、
断片的に歯車に巻き込まれたとか、
無理やりオートメーションでご飯食べさせられたとか、
なんとも頼りのない記憶。
肝心のストーリーはどやったんやっけ??
とりあえずそのモダンタイムスから見ることにした。
映画を見出したらあっという間。
まず驚いたのが、こんなにも風刺要素が強いんやってこと。
子どものときには分からなかった社会風刺がスゴイ。
モダンタイムスの舞台は、
作業のオートメーション化が進んだ社会。
恐ろしい勢いでオートメーションが台頭して、
それによって雇用が不安定になり街は失業者だらけ…。
なんたって主人公は基本無職と孤児の女の子。
主人公は延々と続く流れ作業に頭がおかしくなったり、
せっかく得た仕事がストライキでなくなってしまったりと、
なかなか不運な境遇に遭い、全然うまくいかない。
でも主人公が妙に前向きなので、
ダメになってもメゲずに社会へ飛び込んで、
結局はうまくいかないんやけども、
不思議と悲壮感は全然なかったりして、やはりおもしろい。
ストーリーは結構シリアスな雰囲気なんやけども、
そんな内容の中で、これでもかってくらいに笑わせてくれる。
しかしここで描かれてる"社会"って、今とあんまり変わらんよね。
ターミネーターで描かれた"機械が自我に目覚める"っていう、
なんとも恐ろしい機械主導の社会への警鐘と根底では似ているのかも。
チャップリンが現代社会を見たらどう皮肉るやろうか…
さて。
この映画は劇中曲も大変有名ですね。
かの有名なSMILEはこの映画で使われています。
てっきり途中でチャップリンが歌うシーンで
Smileが歌われると思ってたけど、実際は違いました。
恐るべし記憶違い。
エンディングシーンでSMILEが流れるところは映像とあいまって強烈。
あのシーンはもう忘れることないかもしれん。
しかし笑った!
不変のコメディと足らしめる映画だけあり、
もう笑いに笑わせてもらった。
ボロ小屋で壁が落ちてきたり、
椅子の脚が床にハマったりと、
この辺りの演出はドリフそのもののだし、
これでもかっていうドタバタのシチュエーションは、
ホームアローンなんかを彷彿とさせるものがあって、
さすが、影響を与えまくったコメディ映画のルーツだなと、
勝手に感慨深い感じになってしまいました。
ほんまにストーリーの秀逸さも、コメディ要素も
劇中の音楽までも、魅力が溢れまくった作品でございました。
他のチャップリン作品も見るのが楽しみ!!
Smile、色々な人が歌っていますが、
やはりこれが一番チャップリンの雰囲気が生きてると思う。
Smile – Nat King Cole
Modern Times(Full Movie)
チャールズ・チャップリン 紀伊國屋書店 2011-04-28 売り上げランキング : 9921
|
カール・デイヴィス BMG JAPAN 2005-08-24 売り上げランキング : 714
|
コメントを残す