女性ボーカルFUNKの金字塔!COLD BLOOD / First Taste of Sin

First Taste of Sin

Cold Bloodが1972年にリリースした3作目「First Taste of Sin」
傑作!

First Taste of Sin

 

Female Funkの決定盤

女性ボーカル"Lydia Pense"率いるファンクバンドCold Blood。

ファンキーなリズムセクションと、
ホーンセクションを全面に打ち出したサウンドで
Tower of Powerと並んで称されることも多いコールドブラッドですが、
TOPとは同郷で、掛け持ちで活動するメンバーもいたようなので、
まぁ当然とも言えるかもしれないですね。

バンド形態で女性ボーカルを立てているファンクバンドは
今も昔も珍しいんではないかと思いますが、
それほどリードボーカル"リディアペンス"のボーカルはスゴイ。

Lydia Pense

ファンクバンドにふさわしいパワフルでソウルフルな歌唱。
彼女が白人であるというところもあってか、
引き合いにはよく"Janis Jopljn"の名前も出てきますが、
まぁなんとなく分かるような、分からんような…。
「白人と思わせないソウルフルな歌唱」というところでは、
確かに共通のインパクトはありますね。

 

Donny Hathawayプロデュースのチカラ!

いくつかアルバムをリリースしていますが、
この"First Taste of Sin"はファンクアルバムとして素晴らしい完成度。

注目すべき点は、なんといっても
「ダニーハサウェイ プロデュース」というところ!
1972年といえば、Donny Hathawayが超絶名盤"Live"をリリースした年。
ノリにノリまくりの時期ですね。

本作は非常にキャッチーかつファンキー。
ホーンセクションもほかのアルバムより存分に吠えています。
自身のバンドでも秀逸なアレンジを施すDonny Hathawayのチカラが、
このアルバムで、プロデュースという形で発揮されていますね。

熱いホーンセクションを牽引するパワフルボーカル

全体としてリディアのボーカルが爆発しててかっこいいのはもちろんながら、
やはりこのアルバムはホーンセクションが秀逸。
ファンクバンドより、むしろCHICAGOなどのロックっぽさすら感じさせる
熱いホーンセクションは間違いなく聞きどころの一つ。

James Taylorのカバー#2なんかも、
"Lean On Me"でも始まるのかと思わせる序盤だが、
曲が進むにつれて、ファンキーでをソウルフルに味付けしてしまう素晴らしさ。

また前曲の余韻を急に覚ますファンクチューン#3や、ファンクロックな#5、
重いリズムがドシドシとくる#6や、アップチューンの#8などなど、
グイグイくるファンクナンバーの応酬が、今までにないコールドブラッドを感じさせるのです。
ブラスロックならぬブラスファンクと言いたい。

#4はダニーハサウェイから提供された曲で、ダニー色が丸出しのバラード。
これまたリディアの歌唱が素晴らしい。

そしてこのアルバムのたまに出てくる男性シンガーも良いんです。
優しい声をしていて、リディアとの対比も十分だし、
#7ではメインボーカルを取っていて、
曲調も手伝って、まるでシカゴのロバートラムのようなのです。
名前を調べてみると"Danny Hull"という人で、
テナーサックスとソングライティング、たまにボーカル。
このアルバムの立役者はこの人かもしれないな…。

ファンキーでキャッチーなインスト"Valdez in the Country"
アルバムの幕を閉じるのも憎い演出ですね。
Donny Hathawayが73年に自身のアルバム"Extension of a Man"にも収録されるこの曲。
本人はラテンテイストででエレピでメロディを弾いているが、
コールドブラッドのバージョンはホーンがうなる力強いサウンド。

 

Cold Bloodはこの後も良質な作品をリリースしています。
特に"THRILLER!"なんかはまた本作とは違ったサウンドで、
名作であることは間違いないんですが、
やはりこの"First Taste of Sin"独特の暑苦しさと、
それを負けるどころか引っ張り倒すLydia Penseの歌がステキすぎます。

コールドブラッドはこの後、3作品をリリースしてから名前を見なくなりましたが、
突如として、2008年に来日したのは記憶に新しいですね。
全盛期と違わぬパフォーマンスを見せてくれたという評判でしたが、
そのときは例のごとく東京だけの公演でした。なんてことでしょう。
次回、来日の際はぜひとも大阪へもお越しください。

 



First Taste of Sin

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